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NACEFの変遷

2002[1年目]

自分の身体に興味・関心をもつ孤児院にいる子どもたちは手を洗うこと、歯を磨くことなどが習慣づいていない。衛星状況を見ても、皮膚病を持った犬が歩き回るような環境の中で調理を行うなど、衛生的であるとは言いがたい状態。健康診断を行い自分の身体に興味をもってもらい、健康教育として手洗い、うがい、傷の手当について、その意義や必要性を劇や紙芝居を用いて教えた。

 

2003[2年目]

管理者が子どもたちの保健衛生行動を習慣づけるために、自身の知識と意識をたかめる 前年度の目標を踏まえ活動内容としては、健康診断、前年の健康指導内容の復習を行うほか、スタッフミーティングというものを開く。日本から、頭痛、腹痛、悪心・嘔吐の際の対処方法などを英訳したマニュアルを作成して持っていき、そのマニュアルと健康診断結果と心配事などを照らし合わせながら、一人ひとりの健康についてスタッフと話し合う場を設けた。また、生活環境のチェックを行い、調理場、寝床の環境について指導を行った。

 

2004[3年目]

自分の身体を知るこれまでの「指導」から「学習」というアプローチ方法に変え、子どもたちの健康意識を高めることを目指した。健康診断の他に、子どもたちが自分の体について学べるよう布で人体模型を作成し、体の構造、心臓・肺・腎臓などの位置や機能などを教えた。また、女の子に対しては生理指導として、月経のメカニズムを模型や劇を用いて子どもたちにもわかるよう教え、その後、生理の始まっている女の子だけを集め疑問、悩みなどを聞く相談会をもった。

 

2005[4年目]

自分で出来る健康管理方法を教え、SKO全体の健康改善への意識を高める 健康診断では、それぞれの問題への対処方法を具体的にアドバイスできるよう日本で、皮膚・頭痛・腹痛・便・歯・貧血という項目にわけ、それぞれグループごとにチェック項目やフィジカルアセスメントを勉強し、アドバイスを考えていった。健康教育では「うんちができるまで」「かぜってどうしてひくの?」と題し、布で模型を作り教えた。ほかにもしらみ劇やしらみシャンプー、女の子のたいして生理の学習会を実施。健康教育以外にも「宇宙の不思議」「日本文化」などのスペシャル講座を行った。

 

2006[5年目]

自分ででも出来る健康管理法の定着を目指して~子どもたちの明るい未来のために~昨年行ったラジオ体操を続けていることをヒントに、今年は講義形式ではなく子どもたちが主体となり、NACEFと一緒に楽しんでできば定着に繋がると考え、参加型のアプローチ方法で劇やクイズを織り交ぜ、健康教育をおこなったり、毎日一緒に歯磨き、うがい手洗いなどを実施した。健康診断では昨年同様グループにわかれて行ったが、今までの項目ごとに子どもたち全員に向かってアドバイスするという方式ではなく、自分の健康問題をより理解してもらうため、一人ひとりに即した個別的なアドバイスを考え、個人全体を捉え一人ひとりアドバイスしていった。スペシャル講座では運動会・宇宙・日本文化・日本語・将来の夢の発表会などNACEFといっしょに楽しめるプログラムをおこなった。

 

2007[6年目]

自分でもできる健康管理法の定着をめざしてver.2 ~SKO全体のエンパワメントを高める~ NACEFは毎年、子どもたちに様々な健康に関する教育を行ってきており、今までのアプローチ方法は指導することが中心だった。昨年より、NACEFが現地にいない期間にも子どもたちが継続して健康管理法が実施できることを目標に掲げていた。今年は第2段とし、大きい子が小さい子に教えたり、自分たちで助け合い行動し、SKO全体で自立できるようにする、つまり、SKO全体のエンパワメントを高めるようにNACEFがサポートすることを目標とした。また、昨年と違いSKOを援助していた堀本さんがいなくなったことに対しての変化にも注意して情報収集することにした。スペシャル講座では、地理、進化、運動会、日本語のプログラムを行い、子どもたちとNACEFが一緒に楽しみながら学習を深めた。2年生が主に企画を担当し行った。

 

2008[7年目]

基本的な健康管理におけるエンパワメント獲得を目指して~子どもから子どもへ~昨年に引き続き、『SKO全体のエンパワメントを高める』ことを目標とした。今年は、毎年継続された教育によるエンパワメントの獲得を総合的に評価するため、昨年6年間の総まとめとして、原点に立ち返ることにした。うがい・手洗い・歯磨き・そうじ・シャンプーといった子どもたちに身につけて欲しい内容を抜粋し、子どもたちに定着しているかどうかを確認し、評価した。

 

2009[8年目]

健康管理を自発的に継続できる力をつける毎年継続してきた手洗い・うがい・歯磨き、環境整備について子どもたちは前年度までに行った教育内容を知識として把握しているが、習慣としての行動が定着していない。またNACEFが見ている間はしっかり行えていても、翌年の健康チェックの結果や教育時の様子から日常行動の継続的な実践が確実に定着しているとは言い難い、というのが昨年の訪問時に感じた現状であった。そのため、今年はNACEFがいない間にも子どもたち自身で、自発的に継続して行えるように、訪問中、毎日SKO生活に合わせて繰り返し手洗い・うがい・歯磨き・環境整備を行い、正しいタイミングに正しい方法で日常生活行動を行うことを指導し、習慣化につなげることを目標とした。

 

2010[9年目]

SKOが基本的生活行動を継続するため、感覚的に気づけるよう働きかける教育した内容に関して徐々に知識は定着しているが、しかし、普段の子どもたちの様子や健康チェックの結果から歯磨き・手洗い・うがい・洗髪などの日常生活行動は未だに定着に至っていない。そこで、今年は行動の変容を図るための意識付けを目的とし、教育時や子どもたちと接する中で、日常生活行動を実践することの意味や効果を強調し、実践する中で起こる自身の変化を自ら捉え、行動の必要性を実感することから行動の変容・継続につなげることを目標とした。

 

2011[10年目]

SKOの子どもたちが自分に合った知識を身につける

NACEFは毎年SKOの子どもたちに様々な健康教育を行ってきたが、SKOに何年もいる子どもは教育を受け続けていたり、また、年齢の高い子どもは去年教えたことを覚えていたり、教育内容が易しすぎて飽きてしまうことがあった。そこで今年は1人1人に見合った知識が必要だと考え、それを目的とした。そのことから、年齢の低い子どもたちは日々の歯の磨き方などの基礎的な内容を中心に教育し、年齢の高い子どもたちには基礎的な知識を踏まえた上で齲歯の予防法などの発展的な内容について教育することを目標とした。またこの目標を軸として、教育グループごとに目標を具体化させた。

2012[11年目]

知識と行動を関連付ける

​子どもたちの習慣や行動変容において、本人の「意欲」が不可欠であると考える。NACEFの教育活動は今年で11年目になり、SKOメンバーまたの入れ替わりはあるものの、知識の蓄積が期待される。そうして蓄積された知識・また新しい知識を生活行動と関連付け身近に感じる事で興味関心を引き出し、「やらなきゃいけない」から「やりたい、やろう」という意欲へ結びつくことを目指し目標を設定した。この目標を軸として教育グループごとに目標を具体化させ、生活に結び付く教育を行った。

2013[12年目]

SKOとNACEFの現状を把握し、今後の活動の展開を考える

今までの活動ではSKOにおける教育の撤退時期が設定されていないため、最終目標が定まらないまま漠然と教育を続けているのではないか。NACEFのSKOでの活動も10年を過ぎ、SKOの衛生環境が向上したことで、SKOに必要で、かつNACEFが行える支援が少なくなっているのではないかという意見が出た。そのため、他施設への展開を含めて、今後の活動方針を改めて設定し直す必要があると考える。またNACEFによる健康チェックの内容に看護学生では判断できないものがあると考えられるため、NACEFが行える最適なアセスメントのためにどの項目が重要であるのかを熟考する必要がある。これらのことを考えるにはNACEFとSKOの現状を把握することが不可欠であると考えたため、この方針を設定した。この方針を念頭に入れ、各自が教育や日本での国際交流活動を行った。

2014[13年目]

将来も活動が継続するように、新しい展開を進める第一歩にする。

・SKO以外の他施設への展開を進める

・国内活動として、他団体との交流を行い、視野を広げる

・新しい資金集め方法を展開する

今までは活動方針が曖昧で分かりづらかったという意見から、具体的な目標として小目標を設定した。現地での活動としてはSKOでのプログラムを徐々に減らしていくことと、本来カンボジアのバッタンバンには、NACEFの活動をより必要としている子どもたちがいるのではないかという意見から、具体的に行動化することとし、現地の小学校2校での活動を行った。また前年度の本学の自治会費助成廃止になり、貯蓄筋のみで資金を回すことは難しくなり、加えて他施設への活動展開を行うため、今までよりも資金が必要である。そのため、資金集めの新しい方法としてクラウドファウンディングである「Ready for?」の活用を始めた。

2015[14年目]

大目標「昨年度の展開を土台に周囲とのつながりを深める」

・SKO⇒エンパワメント重視の教育へ移行する

・小学校⇒信頼関係を築き、ニーズを把握する

・資金⇒確実な資金集めの方法を確立する

・国内活動⇒他団体との交流を積極的に行い、NACEFの知名度を上げる

 昨年度からSKO孤児院からの撤退と、新たに小学校2校での活動を開始しており、その内容を基盤として、そこから活動をより発展させていくという意味で今年の大目標を設定した。近年、NACEFでSKOにおける最終目標が定まらない事や、SKO以外にも私たちの活動を必要としている子どもたちがいるのではないかという声が上がった。今年度はSKOとの関りを徐々に減らしていくため、教育をエンパワメント重視の内容へと移行しプログラムを作成、実施した。昨年度は小学校を訪問し、情報収集や簡単な教育を行った。今年度は今後も介入していくための土台や信頼関係づくりに重きを置き、昨年度よりも本格的な教育やレクリエーションを実施した。

2016[15年目]

大目標「15年間を見直し、将来の活動につなげる」

・SKO⇒エンパワメントを定着させるための教育内容を充実させる

・キーゼル、プレイピール小学校⇒子どもたちの生活環境をより深く知り、ニーズに合った教育を展開する

・スラッパン小学校⇒信頼関係を築き、ニーズを把握する

・資金⇒新しい資金集めの方法を模索する

・国内活動⇒NACEFを知ってもらえる機会を増やし、他団体との関りを深める

2016年度はNACEF設立から15年の節目であり、区切りの年にすることを目標にした。SKOは資金支援の打ち切りが予定され存続の危機に瀕しており、NACEFの支援が届かなくなる可能性があることを念頭に、エンパワメントを重視した教育を行った。1,2校目の小学校は昨年度得られたデータから新たに4つの教育を増やしてプログラムを実施した。3校目の小学校は初めての教育であり、データ収集をしながら信頼関係を構築するような関りを行った。新たな資金源を今年度も模索したが、NACEFの実情に合った方法を見つけることは困難であることが分かった。国内活動に関しては、これまで部員内での話し合いが多く、他団体との交流により、新たな、かつ正しい方法で子どもたちと関わっていけるよう、そして多くの方にNACEFを知ってもらうことを目的にこの目標を設定した。グローバルフェスタへの参加などで新たな団体との交流を持つことができた。

2017[16年目]

大目標「より良い教育に繋がるニーズ調査の基盤をつくる」

・SKO・小学校共に教育を企画する上で、現地のデータが少なく、ニーズを把握できていないことが問題点として挙げられた。そこで今年はより現地のニーズに合った教育を実施するためのニーズ調査を重要視し、活動を行うことにした。

 昨年度まで大目標を掲げ、その下に活動場所によって細かい目標を定めてきた。しかし今年度は、目標が多くあることで、目標を意識しながら活動に挑むことができないという意見から、目標を一つに絞り、活動に臨むことにした。今年度もニーズ調査を重視し、SKOにて環境調査を、小学校地域で家庭訪問を行った。孤児院ではシャワーやトイレ、普段使う水など、子どもたちの身の回りにある環境を調査した。小学校地域では、各校2名ずつ、快く受け入れて下さったご家族を訪問し、普段の生活の様子を伺うことができた。小学校地域における家庭訪問は今年度が初めてであり、多くの課題も発見された。今年度の活動を足掛かりに、来年度以降も情報収集を行い、より子どもたちの現状に合った教育を提供することが望まれる。

2018[17年目]

​*カンボジア選挙のため渡航中止と判断

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